卒FIT(固定価格買取制度終了)とは?
固定価格買取制度(FIT制度)とは、再生可能エネルギーの普及を目的として2012年7月にスタートした制度です。
住宅用太陽光発電の買取保証期間は10年と定められています。2019年には10年を迎え、この価格が保証されなくなってしまうのです。2019年以降の買取価格はどうなるのか、これが大きな論点です。
2019年11月から順次契約を終了する卒FITが出始め、23年末までに累積で165万件に上ります。
卒FITのユーザーは、余剰電力を買い取る契約先を自ら決める必要があります。
買い取り価格は、新電力勢が掲げている8円/kWhがFIT満了後の相場、との見方が大勢です。
しかし、ここに待ったをかけたのが、NTTスマイルエナジー・パナソニック連合です。
住宅用太陽光発電の余剰電力を最大16円/ kWh (東日本エリア)で買い取る方針を発表しました。
この業界最高値は、両社製の機器や蓄電池などを購入するという条件が付くものの、蓄電池購入には、相応のメリットもあります。
発電した電力を売らない選択もあり!?
年度 | 住宅用(10kW未満) |
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2009年以前 | 系統電力と同程度(約24円)で電力会社が自主買取 |
2009年(平成21年) | 48円 10年間 |
2010年(平成22年) | 48円 10年間 |
2011年(平成23年) | 42円 10年間 |
2012年(平成24年) | 42円 10年間 |
2013年(平成25年) | 38円 10年間 |
2014年(平成26年) | 37円 10年間 |
2015年(平成27年) | 33~35円 10年間 |
2016年(平成28年) | 31~35円 10年間 |
2017年(平成29年) | 28~30円 10年間 |
2018年(平成30年) | 26~28円 10年間 |
2019年(平成31年) | 24~26円 10年間 |
卒FIT後の買い取り価格は、2009年に導入され、今年満了される方は、従来の48円から、東京電力の場合は、単価8.5円/kWになります。
1/5以下の金額は結構損した気分になりますよね。
そこで、自家消費をメインにして、買う電力を極力控える。そして、自家消費でも余った場合のみ売電するという選択も可能です。
FIT制度では、電力会社は10年間、契約者が太陽光発電で発電した余剰電力を買い取る義務がありました。しかし、卒FIT後は電力会社の買取義務はなくなるため、どこの電力会社とも契約していないと、使いきれなかった電力は送配電事業者に無償で引き取られることになってしまいますので、放置するのは気を付けましょう。
卒FIT後の選択肢は大きく二つに分かれる
卒FIT後の選択肢としては、大きく二つに分かれます。
一つ目は現状のまま、売電先をそのままor契約変更するという内容です。
東京電力をご利用の方は、単価8.5円/kWになりますが、手続しないと、発電した電気は無償引き取りになってしまうケースもあるので、要注意です。
卒FITを迎える方には期限終了の6ヶ月から4ヶ月前には終了時期や必要な手続きなどが記載された通知が届くことになっています。
通知が届いたら、早め早めの手続きをお勧めします。
そして二つ目は、自宅で電気を発電して、消化する自家消費という選択肢です。
一番のおススメは、NTTスマイルエナジー・パナソニック連合の売電価格16円で、自家発電自家利用メインのスタイルをとることです。
蓄電池設置の費用こそありますが、メリットもたくさんありますので、ご検討するには良い機会だと思いますよ。
① 相対・自由契約 | ② 自家消費 | |
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やるべきこと | 電力会社などと相対・自由契約を結び、余剰電力を売電します | 電気自動車や蓄電池・エコキュートなどを組み合わせて、発電した電気を消費します |
メリット | 切り替えのコストがかからない | ・20数円/kWhの電気の購入を削減 ・災害時にも電力確保可能 |
デメリット | ・買い取り価格が1/3以下になる(東京電力は新たな単価8.5円/kW | 蓄電池設置費用や太陽光パネルの経年劣化に注意 |